機械学習エンジニアとは?将来性やスキル習得方法を網羅的に解説

機械学習エンジニアってなんだろう?

機械学習を仕事にしたい!

AIの需要が高まるなか、AIに欠かせない技術である機械学習(マシンラーニング)について興味がある方も多いのではないでしょうか。

しかし、機械学習は専門性が高く、未経験から機械学習を扱うエンジニアになることは難しいです。

そこでこの記事では、

  • 機械学習エンジニアとは何か
  • 機械学習エンジニアの将来性
  • 機械学習を学ぶための学習法

以上の3点について解説いたします。これから機械学習を学びたいとお考えの方や機械学習エンジニアの基本について知りたい方はぜひ最後まで御覧ください。

機械学習エンジニアとは?

機械学習とは

まず、機械学習とは何かから考えてみましょう。

Wikipediaによると

機械学習(きかいがくしゅう、(英: Machine learning、略称: ML)は、明示的な指示を用いることなく、その代わりにパターンと推論に依存して、特定の課題を効率的に実行するためにコンピュータシステムが使用するアルゴリズムおよび統計モデルの科学研究である。

参照元:Wikipedia

とあります。簡単に言えば、コンピューターに予測や分類をさせる仕組みの研究といったところでしょうか。

これだけではあまりイメージがつかないので、実際どのように使われるかを見てみましょう。

機械学習は検索エンジン、医療診断、スパムメールの検出、金融市場の予測、DNA配列の分類、音声認識や光学文字認識などのパターン認識、ゲーム戦略、ロボット、など幅広い分野で用いられている。応用分野の特性に応じた様々な学習手法が提案されている

引用元:Wikipedia

活用事例を見てみると既に私たちの産業に深く入り込んだ研究分野という事がわかりますね。

機械学習エンジニアとは

機械学習エンジニアとは、機械学習を主にソフトウェアで実装するエンジニアの事です。日本では言葉の定義がまだ一般化していませんが海外では「Machine Learning Engineer」という職業として定着しているので、情報収集の際はこの単語を使うといいでしょう。

また、似た職業としてはデータサイエンティストやAI(人工知能)エンジニアがありますがその違いについても考えてみましょう。

まずデータサイエンティストですが、やっていることはかなりの部分で機械学習エンジニアと重なっていて同義で使われている場合も多いです。

分かりやすく分類すると、

データサイエンティストやデータアナリスト

データを分析したりモデリングし、テスト用のプロトタイプ(試作品)を作ったり、ビジネス的な側面からも評価し報告する職業

機械学習エンジニア

データ分析からモデリングをし、生産レベルでのプロトタイプ制作、実際のサービスへの実装、例えばAPI(システムとシステムの結合)をどうするかといったところ、さらにはビジネスモデルを踏まえた上でのエンジニアリングをする。

ということで、分析した数理モデルを、ソフトウェアの実装までやってしまう人材が機械学習エンジニアといえるでしょう。

また、AIエンジニアという職業も比較的新しい職業、概念ですがAIエンジニアの場合は機械学習エンジニアやデータサイエンティストよりもかなり広義な範囲のイメージと言えます。

機械学習の範囲の一部に流行りのディープラーニングや強化学習などの手法がありますが、その一部の手法のみに特化してAIエンジニアを言う場合もありますし、データサイエンティストや機械学習エンジニアもAIエンジニアに含むともいえるでしょう。

調査待ち

h2 機械学習エンジニアを徹底分解

h3 仕事内容

データ関連を分析して、法則を導き出す

h3 年収

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h3 現在の需要

調べる

求人数

h3 将来性

AIの中に機械学習があって、その中にディープラーニングがある。

そのディープラーニングが人気が高く自動運転などに使用されている。

このように今実装できるスキルとしては注目されている

機械学習エンジニアになるために必要なスキル

ここからは実際に機械学習エンジニアになるために必要なスキルについてご紹介いたします。

機械学習エンジニアは扱う領域の専門性が高いため、必要となるスキルの種類も多岐に渡ります。

具体的には、以下の9種類は習得しておいたほうがいいでしょう。それぞれ詳しく解説いたします。

  • ITリテラシー
  • プログラミングスキル
  • ディープラーニングについての知識
  • 数学能力
  • 設計思考
  • エラー処理
  • 検索能力
  • 英語力
  • コミュニケーション能力

ITリテラシー

IT業界は非常に技術革新の速度が早いことで有名ですが、その中でも最先端技術と呼ばれる分野に関しては日々新たな技術が生み出されています。

そのため、常に最新の情報を収集しITリテラシーを高めておくことが機械学習エンジニアには求められるでしょう。

プログラミングスキル

機械学習エンジニアにも、当然プログラミングスキルも必要です。人工知能分野において主となるPython・R言語に関しては習得しておいたほうが良いでしょう。

特にPythonは機械学習用のライブラリやフレームワークも豊富に用意されており、これらを開発に活用することで大幅に工数を減らすことができます。単純に言語だけを習得するのではなくライブラリやフレームワークまで学習しておきましょう。

ディープラーニング(深層学習)

機械学習の一部としてディープラーニングがあります。機械学習エンジニア全員がディープラーニングに触れるわけではありませんが、どんな仕組になっているかなど理論的な事に関しては、知っておいたほうがいいでしょう。

数学能力

機械学習と数学はとても深い関係にあります。そのため、機械学習エンジニアを目指すなら、

  • 微分
  • 積分
  • 線形代数
  • 統計
  • 確率

といった数学能力が必要となるでしょう。最低でもこれらの基礎や概念を理解しておくことは必須と言えます。

設計思考

機械学習にはオブジェクト指向やロジカルシンキングといった「設計思考」が必要となります。

例えば、車を作ると仮定した場合、

必要なものは?

  • タイヤ
  • ハンドル
  • バンパー
  • etc…

必要な動作は?

  • 走る
  • 止まる
  • etc

このように構造化して物事を考えられる思考力がとても重要となります。常日頃から物事をロジカルに考えるよう心がけましょう。

エラー処理

エラーに対してどのように処理するかも機械学習エンジニアにとっては重要な要素です。適切なエラー処理ができなければ、必要以上に時間を要してしまいます。

1つの軸を固定して、他の軸をずらすことによってどのような変化が起こるのかを考えるようにしましょう。

検索能力

機械学習にかぎったことではありませんが、エンジニアにとって検索力も重要となります。プログラミングについてわからないことがあれば、目的を言語化して検索するようにしましょう。

AI分野においては、日本よりも海外のほうが圧倒的に情報量が豊富なため、英語で検索した方が欲しい答えに辿り着く可能性が高まるので覚えておきましょう。

英語力

検索力の項目でも記述しましたが、AI分野の情報は海外から発信されます。そのため、最低でも英語の論文が読める程度のリーディング能力が必要になります。

本格的に機械学習エンジニアとして活躍することを望むなら、論文を書く能力や論文を発表する能力も必要となるでしょう。

コミュニケーション能力

ここでいうコミュニケーション能力とは、普段の生活で使うようなものではありません。エンジニアにとってのコミュニケーションとは、「言語化する能力」と「一義的に他者に伝える能力」を指します。

エンジニアはチームで開発を行うため、円滑なコミュニケーションを取れる能力は必須となります。

機械学習エンジニアを目指すための4ステップ

ここからは実際に未経験者が機械学習エンジニアを目指すための方法をステップ形式で解説致します。

何から始めればいいか分からない! とお困りの方はぜひ参考にしてみてください。

ステップ1:機械学習スキルセットを習得する

まずは前述した機械学習のスキルセットを習得しましょう。とはいえ、やみくもに学習を進めても覚えることが多くて挫折する可能性が非常に高いのも事実。

そこで、学習には「機械学習エンジニアになる」という大きな目標とは別に機械学習を習得する過程で達成できる目標を立てるといいでしょう。

おすすめは機械学習系の資格を取得することです。資格があれば転職する上でも有利に働きますし、試験に合格したときの達成感も得ることができますよ。

ステップ2:実際に手を動かして機械学習を実装する

機械学習のスキルセットを習得したら、さっそく手を動かして機械学習を実装していきましょう。

まずは簡単なもので構いません。重要なのはあなた自身で設計から実装まで行うことなので、どんどん成果物を作っていきましょう。

ステップ3:機械学習コンテストに参加する

ある程度、実装になれてきたら機械学習コンテストに参加してみましょう。

機械学習コンテストはさまざまな場所で開催されています。有名なコンテストであれば、優勝賞金が10万ドルを超えるものもありますよ。

なによりこういったコンテストで名前を売ることで、よりよいビジネスの場にありつくことができるでしょう。

ステップ4:実務経験を実際に積む

ここまでのステップでは1人で設計・開発・実装を行っていました。しかし、実務では基本的にチーム開発が主体となります。

いままでの経験を活かして、実際に実務経験を積んでいきましょう。具体的な方法は以下の3つです。

  • 社内でスキルチェンジする
  • 転職する
  • 複業をしてスキルアップ(スキルが求められる)

社内で機械学習を扱っているなら、社内でのスキルチェンジがおすすめですが、実際にそのような企業はあまり多くないでしょう。そのため、人工知能系の企業へ転職することをおすすめいたします。

いきなり転職するのは不安という方は、複業で経験を積むといいでしょう。ただ複業には実績が求められるので、コンテストで優秀な成績を納めたような方でなければ難しいかもしれません。

未経験からの習得難易度はどうなの?

未経験から学習を始めるうえで、実際にどのくらいの習得難易度なのかは気になりますよね。

しかし、学習方法によって習得難易度や習得時間は大きく異なります。そのため、独学とスクールを活用した場合、両方の観点から習得難易度についてご紹介します。

習得にかかる平均学習時間

一般的に1つのスキルを実務レベルまで習得するためには1000時間、熟練者になるためには10000時間が必要と言われています。

機械学習に関しては、一般的なスキルよりも習得難易度が高いため、これよりも更に時間が掛かると考えたほうがいいでしょう。ただ、この数字はあくまでも目安です。学習環境や適性によって学習時間は異なるのであくまでも参考程度にとらえていただければ幸いです。

独学で学習する場合の習得難易度

独学の場合、教材選定なども全て1人で行わなければならないので、その分スクールの2〜3倍は時間がかかると見ていいでしょう。

また、教材選びに失敗すれば挫折する可能性も高くなりますし、エラー処理も全て自分で行う必要があります。習得難易度でいうと、プログラミング学習のなかでも特に難しい分野と言えるでしょう。

相当、自信のある方以外にはあまり独学はおすすめできません。

スクールで学習する場合の習得難易度

未経験から多くの機械学習エンジニアを輩出しているDIVE INTO CODEをもとに算出すると640時間の学習時間が必要となります。

スクールによって短期コースを展開している場所もありますが、機械学習において信頼性の高いプログラミングスクールを選ぶといいでしょう。

機械学習エンジニアになるためのスキル習得方法

ここからは機械学習エンジニアになるためのスキル習得方法を項目別にご紹介致します。

独学

独学で学習する場合は、

  • 学習サイト
  • 書籍
  • 講座

以上の3つを活用して学習することとなります。あなたの学習レベルにあった教材を選ぶことが鍵となるので口コミや評判を参考に最適な教材を選びましょう。

以下の記事でそれぞれの教材について詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

機械学習 学習サイト(内部リンク)

機械学習 書籍(内部リンク)

機械学習 講座(内部リンク)

スクール

スクールで学習する場合は、

  • データサイエンティスト向けのスクール
  • 大学
  • 専門学校

以上の3つで学習することになります。専門や大学は学生しか通えないので、多くの人はプログラミングスクールを利用することになるでしょう。

プログラミングスクールは場所によって質が全く異なるので、あなたの目的にあわせて選択する必要があります。

こちらの記事でデータサイエンティスト向けのプログラミングスクールを紹介しているのでぜひ参考にしてください。

AI学習におすすめ!人工知能が学べるプログラミングスクール3選

実務経験

あなたが機械学習のスキルセットをすでに習得しているなら、

  • 転職
  • 副業

以上の方法で実務経験を積みましょう。始めのうちは簡単な機械学習の実装を行うような企業へ転職して、ゆくゆくは海外へ進出し、さらなる高みを目指すことをおすすめします。

【結論】機械学習エンジニアを目指すのであれば1つずつスキルを身につける

機械学習エンジニアは必要なスキルが多く、初学者にとって実務レベルのスキルを習得することはとても難しいといえるでしょう。しかし、戦略的に学習を進めることで未経験でも機械学習エンジニアを目指すことは可能です。

今回ご紹介した内容を参考に、1つずつ着実にスキルを習得して機械学習エンジニアへの第一歩を踏み出してみましょう。

この記事があなたのエンジニアライフのきっかけになれれば幸いです。

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