ぶっちゃけ機械学習に向いているのはR言語?それともPython?

人工知能分野において使用頻度の高いR言語とPythonですが、

結局どっちを学べば良いのかな?
それぞれの違いってなんだろう?

といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実際、どちらの言語も得意としている事が異なるため、目的に応じた言語を選定しなければ、思うようなプログラムを組むことが出来なかったといった事になりかねません。

そこでこの記事では、R言語とPythonの特徴を解説した上で、どの分野にどの言語が適しているかなど詳しく解説していきます。

この記事を読めば、これから人工知能を学ぼうと考えている方もスムーズに学習に移ることが出来ますよ。

そもそもR言語とPythonって何?

そもそもR言語やPythonとはどういった言語なのでしょう。それぞれの特徴をご紹介致します。

R言語とは?

R言語は統計解析に特化したプログラミング言語で、「あーる」や「あーるげんご」と呼ばれています。

記述がシンプルで読みやすく、グラフを画像として出力するなど統計解析に向いている機能が豊富に搭載されています。

OS問わず動作するため、どんな環境でも始められるという特徴があります。統計解析に秀でた人が使えば、プログラミング未経験者でも比較的簡単に習得できるでしょう。

Pythonとは?

Pythonは人工知能以外にもWeb開発やスクレイピングなど様々な事に使われている人気の言語です。

PythonもR言語と同様に記述が少なく、可読性の高い言語といえるでしょう。日本でも人気が高く、ビズリーチの発表したプログラミング言語ランキングでは3位にランクインしています。

また、人工知能に関するライブラリやフレームワークが多く、これらを活用することで効率よく人工知能を開発することができるでしょう。

機械学習で使われる言語の選定基準

先程、言語の特徴をご紹介しましたが、それだけではどちらか選ぶことは難しいですよね。

ここからは、

  • 未経験の習得難易度
  • 言語の扱いやすさ
  • パッケージの豊富さ
  • 統計処理のスピード
  • 統計解析の正確性

を基準として、それぞれの言語を比較してみましょう。

未経験の取得難易度

まずはプログラミング未経験からの習得難易度を比較してみましょう。

Python・R言語共に比較的習得が難しくない部類の言語ではあります。

しかし、R言語の場合は統計解析ができる前提で習得する必要があるので、統計解析が苦手な方はPythonを学んだほうが良いでしょう。逆にいえば、統計解析の得意な方であれば、R言語の習得はそう難しくないといえます。

習得難易度に関しては、統計解析ができるかどうかで比較してみると良いでしょう。

言語の扱いやすさ

扱いやすさという面では、Pythonの方が良いでしょう。

R言語は最初に述べた通り、統計解析に特化した言語です。そのため、アプリ開発やWEBサイト制作などを行うことはできません。

人工知能以外の開発もしてみたいという方はPythonを学んだほうが、様々なことができるのでおすすめです。

パッケージの豊富さ

統計解析という一点においてはPython・R言語ともに豊富と言えます。しかし、R言語は統計解析以外のパッケージが豊富なわけではないので、全体的な豊富さをみるとPythonの法が優れていると言えるでしょう。

統計処理のスピード

単純な速度だけで比較すると、R言語よりもPythonの方が圧倒的に優れています。

R言語はデータの読み込みが得意ではなく、サイズのでかいデータほど多くの時間を要してしまいます。しかし、Pythonは単純な統計処理にもライブラリが必要になるため、簡単な処理を行うのであれば、R言語の方が手軽に行えます。

統計解析の正確性

統計処理の速度ではPythonに劣るものの正確性という点ではR言語の方が優れていると言えます。

そもそもR言語は統計解析のための言語なので、データサイエンスという点ではR言語に勝る言語を探すのは難しいでしょう。

R言語とPythonどちらを使うべき?

R言語とPythonを様々な視点で比較してきましたが、実際どちらを使うべきかについても触れていきたいと思います。

統計学的な処理ならR言語

統計学的な処理に関してはPythonよりもR言語の方が優れています。

R言語は与えられたデータの形によって、Studentのt検定とWelchの検定を自動的に使い分けることができますが、Pythonは指定しないと使い分けることが出来ません。

また、グラフ・ネットワーク分析に関してもPythonよりR言語の方がパッケージが豊富にあるため、使いやすいです。

プログラミングの使いやすさはPython

単純にプログラミングの使いやすさという視点でみるとPythonの方がR言語より優れています。Pythonは記述するコードが簡潔であり、R言語よりもメモリを消費しないため、PCに掛かる負荷も少なく抑えることができます。

また、アプリやソフトウェア開発で使われているように汎用的な機能は整っているため、Pythonの方が使いやすいといえるでしょう。

ディープラーニングを扱うならPython

機械学習だけでなく、ディープラーニングまで扱うなら圧倒的にPythonが優れています。R言語がディープラーニングを扱えないという訳ではありませんが、PythonにはTensorFlowなどディープラーニングに特化したフレームワークが豊富にあります。

基本的に海外で出回る情報もディープラーニングに関してはPythonを前提としているため、無理にR言語を使用する必要はないでしょう。

情報量の多さならPython

日本では、R言語よりもPythonのシェア率の方が高く、情報量の豊富さはPythonの方が多いです。

そのため、未経験から学習を進めるならPythonの方がエラーで躓く回数は少なくなります。ただ、R言語に関しても英語の情報なら豊富にあるため、英語を扱えるならば目的に応じてR言語とPythonを使い分けするといいでしょう。

補足情報:ソフトウェア開発を行うならC++

ここまでPythonとR言語を比較してきましたが、機械学習を実際にソフトウェアに組み込むためにはC++のような処理速度の早い言語を習得する必要があります。

単純に機械学習だけを突き詰めていくなら、PythonかR言語だけでも大丈夫ですが、ソフトウェア開発までを行いたい方はC言語かC++もあわせて習得しておくと良いでしょう。

【結論】機械学習だけ学ぶならR言語でも問題はない

機械学習だけ学んで統計解析を中心としたキャリアを目指すのであれば、R言語を学んだほうが良いでしょう。

R言語は統計解析の言語といえるほど特化した言語です。専門性が高いので、突き詰めていけば優秀な機械学習エンジニアになれる筈です。

機械学習だけでなくディープラーニングまで学びたいのであればPythonも学ぶ必要があります。ディープラーニングのフレームワークはPythonでしか扱えませんし、情報もほとんどがPythonを前提としたものです。

Python・R言語共に優れている部分があるので、理想を言えば両方の言語を使い分けることで、より優秀なAIエンジニアとしてのキャリアを歩むことができるでしょう。

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